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富士フイルム X-S20 レビュー|旅カメラとしての実力を徹底調査

富士フイルム X-S20 レビュー

「旅の雰囲気をそのまま写真に残したい」——そう思ったとき、最初に名前が挙がるカメラブランドがあるとすれば、それは富士フイルムでしょう。フィルムメーカーとして長年培ってきた色づくりの哲学が、デジタルカメラ時代になっても脈々と受け継がれ、フジカラーの色味はいまや多くの旅行写真家を虜にしています。

その富士フイルムが2023年に送り出したX-S20は、フィルムシミュレーション18種類・バッテリー持ちはミラーレスとしてトップクラス・6.2K動画にも対応——と、旅行者があらゆるシーンで使えるオールラウンダーとして高い評価を受けています。本記事では、フジカラーの色味が好きな旅行者に向けて、X-S20の実力を旅行者目線で徹底調査したレビューをお届けします。

📌 この記事のまとめ
  • 旅カメラとしての総合評価:★★★★★(5/5)
  • 良い点:フィルムシミュレーション・バッテリー持ち・動画性能・EVF+チルト液晶
  • 気になる点:防塵防滴なし・AF速度・FUJIレンズコスト
  • おすすめ対象:色味にこだわりたい旅行者・動画も撮りたいVlogger

富士フイルム X-S20 主要スペック

項目 スペック
センサーサイズ APS-C(X-Trans CMOS 5 HR)
有効画素数 2610万画素
ボディ重量 491g(バッテリー・メモリカード含む)
手ぶれ補正 ボディ内5軸・最大7段
バッテリー 約800枚(エコノミーモード時)
動画性能 6.2K / 4K120p対応
充電方式 USB Type-C
防塵防滴 なし(注意が必要)
フィルムシミュレーション 18種類
実売価格(目安) 約18〜22万円(ボディのみ)

良い点4つ

1. フィルムシミュレーション18種類——旅の色をそのまま表現できる

X-S20最大の魅力は、富士フイルム独自の「フィルムシミュレーション」機能です。クラシッククローム(落ち着いたフィルム調の渋み)、エテルナ(映画のような柔らかいトーン)、プロビア/スタンダード(忠実な色再現)、ベルビア(鮮やかな発色)など、18種類のフィルムシミュレーションが用意されています。

旅先でいちいち現像処理しなくても、撮った瞬間から自分の好みの「色の世界観」で写真が仕上がるのがフジカメラの最大の魅力です。特にクラシッククロームで撮影した旅の写真は、フィルム時代の懐かしさと現代の精細さが絶妙に融合し、「なぜかこの写真ずっと眺めていたくなる」という感覚を生みます。旅の記録を「思い出」として保存したい写真家に、これ以上ない表現ツールです。

2. バッテリー持ちがミラーレスとしてトップクラス

X-S20のバッテリー持ちは、ミラーレスカメラの中でも群を抜いています。エコノミーモード使用時に約800枚という公称値は、旅行用ミラーレスの中でも最高クラス。実際の旅行使用でも400〜600枚程度は十分に撮影できます。

多くのミラーレスカメラが200〜400枚前後(旅行実使用)で予備バッテリーが必要になるのに対し、X-S20は1日の旅行であれば予備バッテリーなしで乗り切れることも多いです。充電のタイミングを気にせずに撮影に集中できるのは、旅行者にとって大きなメリットです。USB-C充電対応なので、モバイルバッテリーからの給電も可能です。

3. 動画性能が高い——Vlogや旅動画にも使える

X-S20は6.2K動画・4K120p対応という高い動画性能を持っています。フィルムシミュレーションは動画にも適用できるため、撮影した動画がすでにフジカラーの世界観で仕上がっています。後からカラーグレーディングに時間をかけなくても、そのまま使える美しい旅動画が撮れます。

「写真はもちろん、旅の動画も残したい」「Vlogを始めたい」という旅行者に最適な選択肢です。4Kスロー撮影(120fps)で滝や波などの自然の動きを美しいスローモーションで残すこともできます。クリエイターモードを搭載しており、動画撮影に最適化された設定が簡単にアクセスできます。

4. EVFとチルト液晶の組み合わせが使いやすい

X-S20は電子ビューファインダー(EVF)とチルト液晶モニターの両方を搭載しています。明るい屋外ではEVFで構図を確認しながら撮影でき、ローアングルやハイアングルの撮影ではチルト液晶が活躍します。旅行写真は様々なアングルで撮ることが多いため、この組み合わせの使いやすさは実際の撮影で大きな差をもたらします。

バリアングル液晶(完全に回転するタイプ)ではないため自撮りには少し不便ですが、旅の記録写真を残すことが主目的なら十分な使い勝手です。

気になる点3つ

1. 防塵防滴がない——雨の日は要注意

X-S20の最大の弱点が防塵防滴性能の非搭載です。急な雨や海辺の潮風、砂埃の多い環境ではカメラを保護する手段がありません。旅行中の急な天気の変化でカメラが水に濡れるリスクは常に念頭に置く必要があります。

対策としては、防水カメラバッグ・レインカバー・ジップロックバッグなどを用意しておくことが重要です。雨の多い地域(東南アジアの雨季など)への旅行では、防塵防滴のOM SYSTEM OM-5など他の選択肢も検討する価値があります。

2. AF速度はソニー・キヤノンと比べるとやや劣る

富士フイルムのAF性能は近年大幅に改善されていますが、ソニーα7C IIやキヤノンEOS R8などの競合機種と比べると、動体追尾AFの精度と速度でやや劣る印象があります。旅先で動いている動物・子どもの瞬間などを正確に捉えたい場合、AFの追従性で悩む場面が出てくることもあります。

ただし、静物・風景・建物・食べ物など、旅行写真の大部分の被写体であれば、X-S20のAFは十分な実用性があります。「スポーツや野鳥撮影が旅行の主目的」という方以外は大きな不満にはなりません。

3. FUJI専用レンズのコストがかかる

X-S20はFUJIFILMのXマウントシステムを採用しており、使用できるレンズはFUJINONレンズ(またはサードパーティのXマウント対応レンズ)に限られます。FUJINONレンズは品質が非常に高い一方、価格も相応に高め。ソニーのEマウントに比べてサードパーティレンズの選択肢が少なく、システム構築のコストがかかります。

ただし、FUJINON XF35mm F2やXC15-45mmなどのエントリーレンズはコストパフォーマンスが良く、旅行用のシステムを最小限にまとめることも十分可能です。

こんな人におすすめ

  • フィルム調の色味・雰囲気にこだわった旅行写真を残したい人
  • 写真だけでなく旅の動画(Vlog)も残したい人
  • バッテリー持ちを重視する旅行者(予備バッテリーを減らしたい方)
  • 防塵防滴の環境に頻繁に晒されない(雨の多い地域は注意)旅行スタイルの方
  • 富士フイルムの「フジカラー」に惹かれている旅行者
富士フイルム X-S20
レビュー品
富士フイルム X-S20

フィルムシミュレーション18種類・バッテリー約800枚・6.2K動画対応。フジカラーで旅の記憶を残したい旅行者のベストチョイス。

まとめ——X-S20とα7C II、どちらを選ぶべきか

富士フイルム X-S20とソニー α7C IIは、旅行用ミラーレスとしてしばしば比較される2台です。それぞれの特性を正確に理解して選びましょう。

比較項目 富士フイルム X-S20 ソニー α7C II
センサーサイズ APS-C フルサイズ(35mm)
色表現 ◎(フィルムシミュレーション) ○(標準的)
バッテリー持ち ◎(約800枚) △(約530枚)
暗所性能 ○(APS-C) ◎(フルサイズ)
AF速度・精度 ◎(瞳AF最強クラス)
防塵防滴 ×(なし) ○(配慮設計)
動画性能 ◎(6.2K / 4K120p) ○(4K 60p)
価格帯 約18〜22万円 約32万円

X-S20を選ぶべき人:色味・雰囲気にこだわりたい旅行写真家。バッテリー持ちを重視する方。動画も本格的に撮りたいVlogger。予算を少し抑えたい方。

α7C IIを選ぶべき人:夜景・暗所性能を最優先にする旅行者。AF精度と追従性能が重要な方(動体・ポートレート多め)。フルサイズの最高画質にこだわる方。

色の世界観を大切にした旅行写真を撮りたいなら、X-S20は本当に素晴らしい選択肢です。フジカラーで染まった旅の記録は、どこか特別な温かさをまとっています。

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