「予備バッテリーは何本まで持ち込める?」「フィルムはX線検査で大丈夫?」「三脚は機内に持ち込めるサイズ?」——カメラ機材を持って飛行機に乗るとき、こうした不安を感じたことはありませんか? 充電まわりのルールは調べても、カメラならではの疑問はなかなか情報が見つからないものです。
30カ国以上を旅してきた経験と最新の航空会社ルールをもとに、カメラ機材の保安検査・機内持込みに関する疑問をこの1記事にまとめました。特に2026年4月にANA・JALで施行された予備電池の新ルールは見落としがちなので、渡航前に必ずチェックしてください。
- カメラ用予備バッテリーの個数制限(2026年4月の新ルール)
- 未現像フィルムのX線感光リスクと手検査の依頼方法
- 三脚・望遠レンズの機内持込みサイズ制限
- カメラ本体・レンズを預け荷物にすべきでない理由
- 保安検査場をスムーズに通過するコツ
- よくある質問(FAQ)3問
💡 この記事は「保安検査・機内持込みの実務」に特化したガイドです。充電器・変換プラグ・モバイルバッテリー本体の選び方は海外旅行の充電・変換プラグ完全ガイド、カメラ機材の準備全般は海外旅行カメラ準備ガイドをご覧ください。
カメラ用予備バッテリーの個数制限——2026年4月の新ルールに注意
カメラの交換式リチウムイオンバッテリー(NP-FZ100など)は、モバイルバッテリーと同じ「予備電池」として航空法上の扱いを受けます。2026年4月24日搭乗分から、ANA・JALでは国際民間航空機関(ICAO)の基準変更にともない、次のルールが適用されています。
- 個数制限——160Wh以下の予備電池は1人2個まで(容量にかかわらず一律)
- Wh容量の上限——160Whを超えるものは持込み不可
- 預け荷物への収納——禁止。必ず機内持込み手荷物に入れる
- 機内での取り扱い——モバイルバッテリーへの機内充電、モバイルバッテリーから他機器への充電はいずれも禁止
これまで「100Wh以下なら個数制限なし」という案内を見た記憶がある方もいるかもしれませんが、これは新ルール施行前の情報です。予備バッテリーを3本以上持っていくつもりだった方は、この変更で計画の見直しが必要になる場合があります。旅行日数が長くカメラのバッテリー消費が多い方は、現地でのモバイルバッテリー併用や、機内で充電できない前提での予備本数の見直しを検討してください。
ルールは国や航空会社によって異なるため、渡航前には必ず利用する航空会社の最新規定を確認しましょう。モバイルバッテリー本体の容量・重さ別の比較はモバイルバッテリーランキングで解説しています。
未現像フィルムはX線検査で感光する——手検査という選択肢
デジタルカメラのセンサーやSDカードはX線検査の影響をほとんど受けませんが、未現像のフィルムは話が別です。フィルムメーカー各社は、手荷物用X線検査を繰り返し通すとフィルムにカブリ(感光ムラ)が生じるおそれがあると公式に注意喚起しています。
- 高感度フィルムほどリスクが高い——ISO800以上の高感度フィルムは、ISO100前後の低感度フィルムより影響を受けやすいとされています
- 預け荷物用のCTスキャンは特に危険——預け荷物の検査装置は手荷物用よりも強いX線を使用する場合があり、1回の通過でも感光した例が報告されています
- 複数回の検査は積算でリスクが増す——乗り継ぎが多い旅程ほど、フィルムがX線を浴びる回数が増えます
心配な場合は、保安検査場で目視検査(手検査)を依頼できます。フィルムは透明な袋にまとめて取り出しやすくしておき、係員に「フィルムが入っているので手検査をお願いします」と伝えましょう。空港や国によっては対応してもらえない場合もあるため、確実性を求めるなら現像を済ませてから持ち帰る、または高感度フィルムの持参を最小限にするのも一案です。フィルムカメラの実機についてはNikon Zfcレビューなどもあわせてご覧ください。
三脚・望遠レンズの機内持込みサイズ制限
機内持込み手荷物には、多くの航空会社で「3辺の合計」によるサイズ制限があります。目安は次の通りです。
| 航空会社 | 3辺合計の目安 | 重量の目安 |
|---|---|---|
| ANA・JAL(100席以上の便) | 115cm以内(55×40×25cm) | 10kg程度まで |
| ANA・JAL(100席未満の便) | 100cm以内(45×35×20cm) | 10kg程度まで |
| Peach・ジェットスターなどLCC | 115cm以内が目安 | 7kg程度までとより厳しめ |
※上記はあくまで目安です。搭乗する便・座席数・航空会社によって基準が異なるため、必ず利用する航空会社の公式サイトで最新情報を確認してください。
コンパクトなトラベル三脚であれば手荷物のサイズ内に収まることが多いですが、大型の望遠レンズや一脚を含む機材一式は3辺合計を超えることがあります。収まらない場合は、預け荷物にハードケースで衝撃から保護して収納する方法もありますが、精密機器である以上リスクはゼロではありません。軽量なトラベル三脚については三脚ランキングで詳しく比較しています。
LCCでは「身の回り品(カメラ・ハンドバッグなど)を含めた重量」で計算する会社もあり、実質的に持ち込めるカメラ機材の量がANA・JALより少なくなる点にも注意が必要です。
カメラ本体・レンズを預け荷物にすべきでない理由
「荷物を減らしたいから、カメラも預け荷物に入れてしまおう」——これはおすすめできません。理由は主に3つです。
- 振動・衝撃——預け荷物は搭載・積み下ろしの際に投げられるように扱われることもあり、精密機器であるカメラ・レンズには大きな負担がかかります
- 紛失・盗難のリスク——預け荷物は手元を離れる時間が長く、紛失事故や盗難のリスクが機内持込みより高くなります
- リチウムイオンバッテリー内蔵機器の扱い——カメラ本体に電池が内蔵・装着されている場合、発火リスクの観点から預け荷物への収納が禁止されている航空会社も多くあります
カメラバッグに機材一式を入れて機内に持ち込むのが基本です。荷物を減らしたい場合は、レンズの本数を絞る、軽量な旅行向けカメラを選ぶといった工夫のほうが安全です。カメラアクセサリー全般の準備は海外旅行カメラ準備ガイドで解説しています。
保安検査場をスムーズに通過するコツ
カメラ機材を多く持っていると、保安検査で足止めされることがあります。次のポイントを押さえておくとスムーズです。
- カメラバッグはトレイに出しやすいよう整理しておく——ノートPCと同様、カメラ本体を単独でトレイに出すよう求められることがあります
- レンズを外す必要は基本的にない——通常はボディにレンズを装着したままで問題ありませんが、係員の指示があれば従いましょう
- 予備バッテリーはすぐ取り出せる場所に——バッグの奥にしまい込むと、検査時に手間取ります
- フィルムは手検査依頼を事前に決めておく——列に並ぶ前に「フィルムがあるので手検査希望」と伝える準備をしておくと流れがスムーズです
よくある質問(FAQ)
Q. カメラの予備バッテリーは何個まで飛行機に持ち込めますか?
カメラ用の交換式リチウムイオンバッテリーも、モバイルバッテリーと同じ「予備電池」として扱われます。ANA・JALでは2026年4月の新ルールにより、160Wh以下の予備電池は1人2個までに制限されました。予備バッテリーを3本以上持っていく場合は、超過分を諦めるか、利用する航空会社の最新規定を必ず事前に確認してください。
Q. 未現像フィルムは空港のX線検査で感光しますか?
可能性があります。フィルムメーカー各社は、未現像フィルムを手荷物用X線検査に繰り返し通すとカブリ(感光)が生じるおそれがあると注意喚起しています。特にISO800以上の高感度フィルムはリスクが高く、預け荷物用のCTスキャンはより強いX線を使うため影響が大きいとされています。心配な場合は保安検査場で目視検査(手検査)を依頼できます。
Q. カメラ本体やレンズは預け荷物に入れてもいいですか?
おすすめしません。預け荷物は搭載・積み下ろしの際に振動や衝撃を受けやすく、紛失・盗難のリスクも機内持込みより高くなります。リチウムイオンバッテリーを内蔵する機器は発火リスクの観点からも預け荷物への収納が禁止されている場合が多いため、カメラ本体・レンズ・予備バッテリーはできる限り機内持込み手荷物に入れましょう。
まとめ——事前確認でトラブルを避ける
カメラ機材の飛行機持込みでもっとも見落としやすいのが、2026年4月にANA・JALで施行された予備電池の新ルールです。「予備バッテリー2個まで」「機内充電禁止」は、以前の情報のまま準備していると当日慌てることになりかねません。フィルムのX線リスクや三脚・レンズのサイズ制限も、事前に知っておけば防げるトラブルです。
充電器・変換プラグまわりの準備は海外旅行の充電・変換プラグ完全ガイド、海外旅行のカメラ機材選び・準備全般は海外旅行カメラ準備ガイドで詳しく解説しています。しっかり準備をして、快適な空の旅を楽しんでください。
Tabi