「写真の空がなんだか白っぽい」「水面や窓ガラスがギラギラ反射して肝心の景色が見えない」——旅先でそんな経験をしたことはありませんか。実はこれ、カメラの腕前ではなく、レンズに入る余計な反射光が原因であることがほとんどです。この反射光をカットしてくれるのがCPL(サーキュラー偏光)フィルターです。
私自身、CPLフィルターを使うまでは「空の色は編集で濃くすればいい」と思っていました。しかし現地で試してみると、水面のギラつきが消えて湖底まで透けて見えたり、紅葉の葉っぱの照り返しが消えて色が驚くほど鮮やかになったりと、編集ソフトでは再現しきれない変化に驚きました。CPLは風景を「盛る」フィルターではなく、余計な反射を取り除いて本来の色を写し取るフィルターです。
ただし、CPLフィルターは製品によって効果の強さ・枠の薄さ・コーティングの質・価格が大きく異なります。本記事では、30カ国以上を旅してきたRueが、旅行者目線で偏光効果・フィルター枠の薄さ・コーティング・携行性・価格を比較し、CPLフィルターおすすめTOP5をご紹介します。
- CPLフィルターを選ぶ5つのポイント(効果の強さ・枠の薄さ・コーティング・径・価格)
- 2026年おすすめCPLフィルターTOP5(各商品リンクあり)
- 5本の詳細スペック比較表
- 青空・水面・紅葉・旅行スナップなどシーン別の使い方
- よくある疑問をまとめたFAQ
💡 この記事は「CPLフィルターのランキング」に特化しています。CPLとNDフィルターの違いや、そもそもどちらを選ぶべきか迷っている方はND・CPLフィルター選び完全ガイドをご覧ください。
CPLフィルターの選び方5つのポイント
CPLフィルターは見た目が似ていても、写りや使い勝手に差が出やすいアイテムです。以下の5つのポイントを押さえれば、旅先で後悔しないフィルター選びができます。
1. 偏光効果の強さ——ガラス層の枚数と品質で決まる
CPLフィルターは偏光ガラスの層を重ねて作られており、層の品質や枚数によって効果の出方や色の自然さが変わります。安価なフィルターは効果が弱かったり、色被り(不自然な色転び)が出ることがあります。上位モデルほど自然な発色で、空の青みや水面の透明感がクリアに出る傾向があります。
2. 枠の薄さ——広角レンズのケラレ対策に重要
CPLフィルターはレンズ先端にネジ込む枠(フレーム)があり、この枠が厚いと広角レンズで四隅が黒く欠ける「ケラレ」が発生することがあります。旅行では風景を広く写す広角レンズを使う機会が多いため、薄枠(スリムフレーム)設計のモデルを選ぶと安心です。
3. コーティング——防汚・撥水加工の有無
旅先では海辺の潮風や砂埃、雨天など過酷な環境で撮影することもあります。表面に防汚・撥水コーティング(マルチコートやナノコーティングなど)が施されたモデルは、指紋や水滴が拭き取りやすく、レンズ拭きの手間を減らせます。長時間の屋外撮影が多い旅行者には特に有効です。
4. フィルター径——使用レンズのサイズを確認
CPLフィルターはレンズ先端の直径(フィルター径。49mm・58mm・67mm・77mmなど)に合わせて選ぶ必要があります。レンズ側面やレンズキャップの裏に「⌀67mm」のように記載されているので、購入前に必ず確認しましょう。複数のレンズを使う場合は、最も大きい径のフィルターを買い、ステップアップリングで他のレンズにも流用する方法もあります。
5. 価格帯——3,000〜15,000円が主な選択肢
CPLフィルターは3,000円台のエントリーモデルから、15,000円を超える高級モデルまで幅広く存在します。エントリーモデルでも十分な効果は得られますが、色の自然さや薄枠設計、コーティングの質は価格に比例する傾向があります。まず試したいだけなら6,000〜8,000円程度から、長く使う1枚として選ぶなら1万円以上のモデルが選択肢に入ります。
CPLフィルターおすすめTOP5【2026年版】
以下はすべて67mm径での比較です。他の径をお探しの方も、同シリーズで径違いが販売されているのでメーカー名・シリーズ名で検索してみてください。
1位 MARUMI EXUS サーキュラーPL Mark II — 総合力で選ぶなら国産の現行モデル
今回の5本で総合力が最も高いのが、国産フィルターブランドMARUMI(マルミ光機)のEXUS サーキュラーPL Mark IIです。撥水・防汚・帯電防止のマルチコーティングが施され、指紋や水滴が付きにくく拭き取りも簡単。薄枠設計で広角レンズでもケラレが出にくく、光線を斜めから受けてもゴーストやフレアが起きにくい高品質なコーティングが特徴です。
Mark IIで最も進化したのが偏光膜そのもので、カラーバランスから再設計した「NEUTRAL COLOR偏光膜」を採用し、CPL特有の色転びを抑えています。MARUMIは1955年創業のフィルター専業メーカーで、国内外のプロカメラマンからも支持されている老舗。価格は1万3千円前後と5本の中では高めですが、コーティング・薄枠・発色のどれにも弱点がなく、「長く使う1枚」として選んで後悔しにくい構成です。予算を抑えたい方は2位以下も検討してください。実売価格・在庫は各ECサイトでご確認ください。
2位 K&F Concept CPL V1 NANO-X — コスパ重視の入門機
「まずは試しに使ってみたい」という方に向くのが、K&F Concept(ケーアンドエフ・コンセプト)のCPL V1 NANO-Xです。28層のナノコーティングを採用し、光の反射やゴーストを抑えつつ、6,000円台という手に取りやすい価格を実現しています。薄枠設計で広角レンズにも対応し、防水・防汚コーティングも備わっています。
上位モデルと比べると色の自然さやコーティングの耐久性でやや譲る部分はありますが、「CPLがどれくらい写真を変えるのか、まず試したい」という初めての1本には十分な性能です。旅行の予算をレンズやバッグなど他の機材に振り分けたい方にもおすすめです。
3位 Kenko PRO1D C-PL(W) N — 高い光透過率で暗所にも強い
プロ・上級者からも人気の高いKenko(ケンコー)のPRO1Dシリーズ最新世代がPRO1D C-PL(W) Nです。デジタルマルチコートにより面反射1%以下を実現した高精度な光学ガラスを使用し、光の透過率が高いため、フィルターを付けてもファインダー内が暗くなりにくいのが特徴です。CPLは構造上どうしても光量が落ちますが、透過率が高いほど手ブレしにくいシャッター速度を保てます。
薄枠設計かつワイドバンド仕様で、超広角レンズでもファインダー内の色ムラが起きにくく、ガラス外周の墨塗り加工でフレア・ゴーストも抑制しています。価格は1万円台とやや高めですが、薄暗い時間帯の風景撮影や、室内からガラス越しに撮る旅行スナップなど、光量に余裕がないシーンで真価を発揮します。
4位 Haida NanoPro MC CPL — 超薄枠で広角レンズとの相性◎
広角レンズでの風景撮影を重視するなら、Haida(ハイダ)のNanoPro MC CPLが有力な選択肢です。業界でも特に薄い超薄枠設計を採用しており、超広角レンズでもケラレが出にくいのが最大の特徴です。多層ナノコーティングにより耐擦傷性・撥水性も高く、フィルター前面にはさらにフィルターを重ねられるネジ山も備えています。
7,000円台とミドルレンジの価格帯ながら、薄枠性能は上位モデルにも劣りません。旅先で建物や自然を広角で切り取ることが多い方、フィルターを重ね使いしたい方に特におすすめです。
5位 NiSi True Color CPL — 色被りを抑えたハイエンドモデル
色の正確さを追求するなら、NiSi(ニシ)のTrue Color CPLが今回の5本で最上位の選択肢です。多くのCPLフィルターは強くかけると画面全体がわずかに青みや緑みを帯びる「色被り」が起きますが、True Colorシリーズは特殊な光学設計でこの色転びを大きく抑え、肉眼で見た色合いに近い自然な発色を実現しています。
価格は1万4千円台と今回の5本で最も高価ですが、風景写真の色再現にこだわりたい方、SNSや作品として発表する写真の色をできるだけ自然に保ちたい方には価値のある投資です。堅牢なアルミ枠と撥水コーティングも備え、耐久性も申し分ありません。
5本のスペック比較表
今回ご紹介した5本の主要な特徴をまとめました。選ぶ際の参考にしてください。
| 製品名 | 枠の厚さ | コーティング | 光透過率 | 色被り | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|---|
| MARUMI EXUS サーキュラーPL Mark II | 薄枠 | 撥水・防汚・帯電防止 | 標準〜高 | 少ない | 約1万3千円台 |
| K&F Concept CPL V1 NANO-X | 薄枠 | 28層ナノコート | 標準 | やや出やすい | 約6,000円台 |
| Kenko PRO1D C-PL(W) N | 薄枠 | デジタルマルチコート | 高い | 少ない | 約1万円台 |
| Haida NanoPro MC CPL | 超薄枠 | 多層ナノコート | 標準〜高 | 少ない | 約7,000円台 |
| NiSi True Color CPL | 標準 | 撥水コート | 高い | 最も少ない | 約1万4千円台 |
※価格・仕様は2026年8月時点の目安です。実際の価格・在庫は各ECサイト・メーカー公式でご確認ください。
シーン別——CPLフィルターの活かし方
CPLフィルターは万能ではなく、効果が出やすいシーンと出にくいシーンがあります。旅先でよくあるシーン別に、活用のコツを整理しました。
青空・雲——太陽に対して90度の角度で効果が最大に
CPLの代名詞ともいえる効果が、青空をより濃く鮮やかに写す働きです。ただし効果は太陽との角度によって変わり、太陽に対して90度(真横)を向いたときに最も強く効きます。太陽を背にした順光や、太陽に向かう逆光ではほとんど効果が出ません。フィルターを回転させながらファインダーを覗き、空の色が最も濃くなる角度を探すのがコツです。広角レンズで空を広く写すと、画面内で効果の強弱にムラが出ることがあるので注意しましょう。
水面・ガラス越し——反射を消して奥を写す
湖や海の水面、ショーウィンドウやお土産屋のガラス越しに撮影するとき、CPLは反射光をカットして水中や窓の奥の景色を写し出します。水族館のガラス越し撮影や、旅先のカフェの窓越しスナップでも効果を発揮します。ただし水面の反射を完全に消すと、逆に「鏡のような反射」が持ち味の写真では効果を弱めに調整したほうが自然に仕上がることもあります。
紅葉・新緑——葉の照り返しを抑えて色を鮮やかに
木の葉は表面が光を反射しやすく、晴天下では白っぽく写ってしまうことがあります。CPLで反射を抑えると、葉本来の緑や紅葉の赤・オレンジがより鮮やかに写ります。山・高原の風景撮影でも活躍する定番の使い方です。
旅行スナップ全般——強くかけすぎない調整も大切
CPLは効果を強くかけるほど劇的に写真が変わりますが、空の一部だけが不自然に濃くなる、影の部分が黒く沈みすぎるといった副作用もあります。旅行スナップでは、フィルターを回しながらファインダーで確認し、「不自然にならない範囲で最大の効果」を探すのがポイントです。三脚を併用すればじっくり角度を追い込めます。
まとめ——迷ったらMARUMI EXUS サーキュラーPL Mark IIから
CPLフィルターは、青空を濃くし、水面やガラスの映り込みを消し、葉の照り返しを抑える——編集ソフトでは再現しづらい変化を撮影時点で実現できるアイテムです。価格帯も3,000円台から1万円台以上まで幅広く、旅のスタイルや予算に応じて選べます。
予算に余裕があり、長く使える1枚を選びたい方は、国産ブランドの信頼性と弱点のない総合力を備えたMARUMI EXUS サーキュラーPL Mark IIがおすすめです。まずは費用を抑えて試してみたいという方はK&F Concept、広角レンズ中心の方はHaida、暗い時間帯の撮影が多い方はKenko、色の正確さを追求したい方はNiSiというように、優先したいポイントで選んでみてください。次の旅先で、CPLフィルター1枚が写真の印象をどれだけ変えるか、ぜひ体感してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. CPLフィルターとNDフィルターの違いは?
CPLは反射光をカットして空や水面を鮮やかにするフィルター、NDは光の量そのものを減らして長時間露光を可能にするフィルターです。効果がまったく異なるため、目的に応じて使い分けます。両方の効果を1枚にまとめた可変式のND+CPLフィルターも存在します。詳しくはND・CPLフィルター選び完全ガイドで解説しています。
Q. CPLフィルターは付けっぱなしでもいい?
レンズ保護の観点では常時装着していても問題ありません。ただしCPLは回転させて効果の強さを調整する仕組みのため、効果が不要なシーン(室内や、効果が不自然に出る角度)では、無効の角度に回すか取り外すのがおすすめです。また光量がわずかに落ちるため、暗い場所では外したほうがシャッター速度を稼ぎやすくなります。
Q. フィルター径はどうやって調べる?
使用しているレンズの先端やレンズキャップの裏側に「⌀67mm」のように直径記号(⌀)付きで記載されています。複数のレンズで径が異なる場合は、最も大きい径のフィルターを購入し、ステップアップリングを使って小さい径のレンズにも取り付けられるようにすると、フィルターを買い足す出費を抑えられます。
Q. スマートフォンでもCPLフィルターは使える?
はい、スマートフォン用のクリップ式CPLフィルターも販売されています。効果の仕組みは一眼カメラ用と同じで、青空や水面の反射を抑えられます。ただし一眼用に比べてガラスの品質にばらつきがあるため、色の自然さを重視する場合は評価の高い製品を選ぶのがおすすめです。
Tabi