旅先で写真を撮っていると、ときどき「そのカメラ、かっこいいですね」と声をかけられることがあります。ニコン Zfはまさにそういうカメラです。1970〜80年代のフィルム一眼(Nikon FM/FEシリーズ)を彷彿とさせるクラシックなデザインに、最新のオートフォーカス・フルサイズセンサー・8段手ぶれ補正を詰め込んだ異色の存在です。
「旅中に使っていると絵になるカメラが欲しい」「性能を妥協せずにデザインにもこだわりたい」——そんな願いを叶えてくれるカメラが、ニコン Zfです。本記事では、旅行者目線でZfの実力を徹底調査したレビューをお届けします。良い点・気になる点を正直に解説しますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
- 旅カメラとしての総合評価:★★★★☆(4/5)
- 良い点:圧倒的なデザイン・フルサイズ暗所性能・8段手ぶれ補正・Zレンズ資産
- 気になる点:760gの重さ・バッテリー持ち・価格の高さ
- おすすめ対象:デザインにこだわりたい旅行写真家・フルサイズ暗所性能を求める旅人
ニコン Zf 主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| センサーサイズ | フルサイズ(35mm)BSI-CMOS |
| 有効画素数 | 2450万画素 |
| ボディ重量 | 760g(バッテリー・メモリカード含む) |
| 手ぶれ補正 | ボディ内5軸・最大8段(VR対応レンズ協調時) |
| バッテリー | 約380枚(CIPA準拠) |
| AF方式 | 位相差検出AF(ハイブリッドAF)・被写体認識AF |
| 動画性能 | 4K 30p(フルサイズ)/ 4K 60p(DXクロップ) |
| 充電方式 | USB Type-C(USB PD対応) |
| 防塵防滴 | あり(マグネシウム合金ボディ) |
| 実売価格(目安) | 約28〜33万円(ボディのみ) |
良い点4つ
1. クラシックデザインが圧倒的にかっこいい——旅先で注目される
ニコン Zfの最大の魅力はそのデザインです。クロームとブラックのツートーンボディ、上部に並ぶシャッタースピードダイヤル・感度ダイヤル・露出補正ダイヤルは、1970〜80年代のフィルムカメラを現代に蘇らせたような外観です。旅先のカフェでテーブルに置いておくだけで絵になり、街歩きのスナップシューターとして使っていると自然と注目を集めます。
「カメラ自体がファッションアイテム」になるという感覚は、他のミラーレスカメラでは得られにくいZf独自の体験です。旅のSNS投稿でカメラが写り込む写真も、Zfなら「それどこのカメラ?」という反応が増えます。デザインにこだわりたい旅行写真家にとって、Zfはほぼ唯一無二の選択肢と言えます。
2. フルサイズセンサーで暗所に強い
Zfは2450万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、暗所性能はAPS-Cやマイクロフォーサーズを大きく上回ります。夜市の賑わい、薄暗いレストラン、ライトアップされた夜景——これらをノイズ少なく撮影できるフルサイズの高感度性能は、旅行写真で確実に威力を発揮します。
ISO 6400でも実用的な画質を維持でき、ISO 12800でも編集で使えるレベルの写真が残ります。「夜の旅先を美しく撮りたい」というニーズには、フルサイズ機であるZfが強みを発揮します。
3. 手ぶれ補正が最大8段と優秀
Zfはボディ内手ぶれ補正として最大8段(VR対応レンズとの協調時)を実現しており、ミラーレスカメラの中でもトップクラスの補正性能を持ちます。三脚なしの手持ち撮影でも、低速シャッターでシャープな写真が撮れます。
クラシックデザインなのに現代最高レベルの手ぶれ補正という組み合わせは、Zfのギャップ萌えとも言える魅力のひとつ。夕暮れ時の街並みを手持ちで撮影しても、しっかりブレが抑えられた写真が残ります。旅行での三脚なし撮影が多い方には、この高い手ぶれ補正が大いに助かります。
4. ニコンの豊富なZレンズ資産が使える
ニコンのZマウントシステムは、近年急速にレンズラインナップが充実してきました。超広角から超望遠まで、Nikon純正Zレンズの選択肢が豊富にあります。また、FTZアダプターを使えば旧来のFマウントレンズ(Fマウント対応のAFレンズ)も使用可能で、既にニコンのFマウントレンズを持っている方はそのまま活用できます。
「将来的にレンズを買い足してシステムを拡張したい」という方にとって、ニコンZマウントは安定した投資先といえます。Zf自体のボディが長く使えるクラシックデザインであることも、長期間のシステム構築に向いています。
気になる点3つ
1. 760gと重い——長時間の街歩きがしんどくなることも
Zfの最大の弱点は重量です。760gというボディ重量は、今回紹介した旅行向けカメラの中でも最も重い部類です。ソニー α7C II(514g)と比べると246gの差があり、一日8〜10時間の街歩きでは徐々に負担を感じます。
レンズを装着すると総重量は1kg超えも珍しくなく、長期旅行でのバックパック移動では「持ち歩くのが億劫」と感じるシーンが出てきます。軽さを最優先にしたい旅行者には、α7C IIやX-S20のほうが向いています。重さを許容できるなら、Zfのデザインと性能は他に代えがたい魅力を持っています。
2. バッテリー持ちがやや短い——予備バッテリーが必須
公称値約380枚(CIPA準拠)というバッテリー持ちは、旅行用カメラとして物足りない数値です。旅行実使用では200〜300枚程度が現実的で、一日の撮影ではほぼ必ず予備バッテリーが必要になります。USB-C充電対応なのでモバイルバッテリーからの給電は可能ですが、クラシックなデザインのカメラにモバイルバッテリーをぶら下げて充電するのは、少し見た目に反する光景でもあります。
予備バッテリーを2〜3本持ち歩く前提で旅の計画を立てることをおすすめします。バッテリーケースに余裕を持たせるのがZfユーザーの必須装備です。
3. 価格が高い——30万円超の投資
Zfのボディ価格は約28〜33万円前後と、旅行用ミラーレスとしては高額な部類です。フルサイズ機としてはα7C IIと同価格帯ですが、重量面でのハンデを考えると「純粋な旅カメラとしての費用対効果」ではα7C IIに軍配が上がります。
ただし、Zfのデザインというアドバンテージは金銭では測れない価値があります。「このカメラを持って旅に出たい」という気持ちが撮影のモチベーションを高め、より多くの写真を撮るきっかけになるなら、高い価格も納得できるはずです。
こんな人におすすめ
- カメラ自体のデザインにこだわりを持つ旅行写真家
- 旅先で「そのカメラ、かっこいいですね」と言われたい方
- フルサイズセンサーの暗所性能で夜の旅先を撮りたい人
- ニコンFマウントレンズを既に持っているニコンユーザー
- 重さよりもデザインと性能を優先できる旅行者
まとめ——Zf・α7C II・X-S20、3機種を比較
旅行用カメラとして検討されることの多い3機種のポイントをまとめます。
| 比較項目 | ニコン Zf | ソニー α7C II | 富士フイルム X-S20 |
|---|---|---|---|
| センサー | フルサイズ | フルサイズ | APS-C |
| 重量 | 760g | 514g | 491g |
| デザイン | ◎(クラシック) | ○(モダン) | ○(モダン) |
| 暗所性能 | ◎ | ◎ | ○ |
| 手ぶれ補正 | 最大8段 | 最大7段 | 最大7段 |
| バッテリー | 約380枚 | 約530枚 | 約800枚 |
| 防塵防滴 | ◎(Mg合金) | ○(配慮設計) | × |
| 価格帯 | 約28〜33万円 | 約32万円 | 約18〜22万円 |
Zfを選ぶべき人:デザイン重視で、フルサイズの暗所性能も欲しい旅行者。重さを許容できる方。ニコンレンズユーザー。
α7C IIを選ぶべき人:軽さとフルサイズ性能を両立したい方。AF精度と追従性を重視する方。
X-S20を選ぶべき人:色味・フィルムシミュレーションにこだわりたい方。バッテリー持ちを最重視する方。
旅先で「絵になるカメラ」を持ちたいなら、Zfは間違いなく最高の答えのひとつです。重さというデメリットを許容できるなら、その体験は他のカメラには代え難いものになるはずです。
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