流れ星を、写真に残したい。ふたご座流星群は、年間の三大流星群のひとつで、毎年12月の夜空を彩ります。しかも2026年は、国立天文台が「絶好の条件」と評するほど、観察にも撮影にも恵まれた年です。
ただ、流星の撮影は、星空の撮影とは考え方がまったく違います。流れ星は「いつ、どこに現れるか」が分かりません。だから、構えて待つのではなく、カメラに撮らせ続けるという発想が必要です。この記事では、国立天文台の2026年の予想と、Sony・OM SYSTEMの公式な撮影情報をもとに、撮影の準備を整理します。
- 2026年ふたご座流星群の極大と、いつ撮るのがいちばんよいか(国立天文台)
- 時間帯ごとの流星数の予想
- 流星撮影の設定の目安(Sony・OM SYSTEM公式)
- インターバル撮影で取りこぼしを減らす考え方
- 放射点とカメラの向き、そしてスマホで撮れるのか
💡 この記事は流星群の撮影に特化しています。シャッター秒数の計算(500÷焦点距離)やピントの合わせ方など、星空撮影の基本は星空撮影のカメラ設定を、スマホで夜空を撮る方は星空のスマホ撮影ガイドをご覧ください。
先に結論:12月14日の夜、21時以降が狙い目
国立天文台によると、2026年のふたご座流星群は、12月14日23時頃に極大となることが予想されています。そして撮影者にとって、いちばんうれしいのが、月の条件です。
「14日の夜の月は21時頃までに沈みますので、それ以降は月明かりの影響も全くなくなり、絶好の条件で観察できそうです」(国立天文台)
月が出ていると、明るい空に隠されて小さな流星は写りません。2026年は、21時を過ぎれば月明かりがない夜空で撮影できます。しかも、12月7日は新月(国立天文台)で、その1週間後にあたります。条件が重なる、めぐまれた年と言えます。
時間帯ごとの流星数の予想(国立天文台)
国立天文台は、空の暗い場所で観察した場合の、1時間あたりの流星数を次のように予想しています。
| 時間帯 | 1時間あたりの流星数の予想 |
|---|---|
| 13日夜〜14日明け方 | 30〜35個程度 |
| 14日21時頃 | 35〜40個程 |
| 15日0時〜2時頃 | およそ60個(最も多く見られると期待される時間帯) |
| 15日明け方にかけて | 40〜55個程 |
最も多く見られるのは、予想極大時刻(14日23時)を過ぎた、15日0時〜2時頃です。放射点がさらに高くなるためです。ただし、極大の前日にあたる13日夜〜14日明け方にも、比較的多くの流星が見られると予想されています。天気が悪かった場合の予備日として、2晩を見ておくと安心です。
ひとつ、大事な点があります。この数字は、目で観察した場合の流星数の予想です。写真に写る数ではありません。レンズの画角は人の視野より狭いので、写るのはこのうちの一部です。だからこそ、長時間、撮り続ける準備が必要になります。
設定の目安——Sony・OM SYSTEMの公式例
流星撮影の公式の設定例は、メーカーごとに少し違います。2社の案内を並べます。
| 項目 | Sony公式 | OM SYSTEM公式(撮影例) |
|---|---|---|
| 撮影モード | M(マニュアル) | M |
| 絞り(F値) | できるだけ小さく | F1.8 |
| シャッタースピード | 15秒 | 10秒 |
| ISO感度 | 3200から | 6400 |
| 撮影方法 | インターバル撮影 | カメラ内のインターバル撮影機能 |
共通点ははっきりしています。絞りは開放付近、ISOは高め、露光は10〜15秒前後、そしてインターバル撮影。星を点で写す設定(ISO 800〜3200)より、ISOが高めなのは、短い露光で流星の淡い光を捉えるためだと考えられます。
ひとつ補足します。シャッタースピードの上限は、レンズの焦点距離で決まります(500÷焦点距離)。くわしい計算と早見表は星空撮影のカメラ設定にまとめています。広角なら15秒でも星が流れにくく、標準レンズでは10秒でも長いことがあります。
インターバル撮影で「撮らせ続ける」
流れ星は、いつ現れるか分かりません。シャッターを自分で押していては、流れた瞬間を逃してしまいます。Sony公式もOM SYSTEM公式も、カメラ内のインターバル撮影機能で、自動で連続して撮り続けることを案内しています。
インターバル撮影は、指定した間隔と枚数で、自動的にシャッターを切り続ける機能です。三脚にカメラを固定し、撮影を始めたら、あとは夜空を眺めているだけです。
設定の考え方をひとつ。公式の資料には具体的な間隔の指定がないので、これは私の考え方ですが、1枚の露光が終わったら、できるだけすぐ次を撮り始められるように間隔を短めにすると、撮影の合間に流星が通り過ぎる取りこぼしが減ります。そして、バッテリーとメモリーカードの残量は、撮影開始前に必ず確認してください。数百枚撮ることになります。
放射点とカメラの向き
流星群の流れ星は、「放射点」と呼ばれる一点から、放射状に飛び出すように見えます。OM SYSTEMの公式ページは、この性質があるため、放射点の位置を意識して構図を決めることを案内しています。国立天文台は、流星は「放射点付近だけでなく、どちらの方向にも現れる」としています。
つまり、放射点にカメラを向ける必要はありません。それより大事なのは、Sony公式とOM SYSTEM公式が共通して勧めている、できるだけ画角の広いレンズで、空の範囲を広く写すことです。広く写すほど、流星が画面に入る確率が上がります。OM SYSTEMは8mm F1.8(魚眼)や7-14mm F2.8といった超広角を例に挙げ、Sonyの案内にはFE 14mm F1.8 GMが挙がっています。
前景に山や木を入れると、星空の写真として印象に残ります。ただし、前景を大きく入れると空が狭くなるので、流星を狙うなら、空を広めに取る構図を優先してください。
撮影の前にやっておくこと
- 場所を昼間に下見する。夜空が暗く、空が開けている場所が条件です(OM SYSTEM公式)。暗い中で場所を探すと、準備に時間を取られます
- ピントは日没後すぐに合わせる。ピントはマニュアルで、星を拡大して合わせます。詳しくは星空撮影のカメラ設定をご覧ください
- 手ぶれ補正をオフにする。三脚使用時の誤作動を防ぐためです(Sony公式)
- 予備バッテリーを内ポケットに。12月の深夜は冷え込みます。バッテリーは寒さで消耗が早くなります
観察のしかた——国立天文台の案内
撮影をカメラに任せている間、ご自身も夜空を楽しんでください。国立天文台は、こう案内しています。
- 「なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう」
- 「最低でも15分ほどは観察を続けると良いでしょう」
- 「レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます」
- 「寒さ対策をしっかりおこなってください」
12月の深夜に、数時間じっとしていることになります。厚着、手袋、カイロ、温かい飲み物は、必須の準備です。寒さと結露の対策は、雪・冬景色の撮影ガイドにまとめています。
スマホで流星は撮れるのか
正直にお伝えすると、スマホは流星の撮影には向きません。理由は、流星がいつ現れるか分からない被写体だからです。AppleとGoogleの公式ヘルプには、流星についての記載はありませんでした。スマホの夜景モードは、1枚を数秒かけて撮る仕組みで、「現れた瞬間に写る」ことを狙う被写体とは相性がよくありません。
スマホで楽しむなら、流星そのものではなく、星空の様子を記録する使い方が現実的です。基本的な撮り方は星空のスマホ撮影ガイドにまとめています。流れ星を写真に残したいなら、カメラのほうが圧倒的に有利です。
機材は「明るい広角レンズ」と「三脚」
流星撮影で効くのは、広い画角と、開放F値の小ささです。Sony公式の案内にも使用例として挙がっている広角レンズが、次の1本です。
そして、三脚は必須です。数時間にわたって、微動だにしないことが求められます。
機種選びの参考には、ミラーレスおすすめランキングをご覧ください。
よくある質問
2026年のふたご座流星群は、いつ撮ればいいですか?
国立天文台の予想では、12月14日23時頃が極大です。14日の夜の月は21時頃までに沈むので、それ以降は月明かりの影響が全くなく、絶好の条件とされています。流星数が最も多くなると期待されるのは、15日0時〜2時頃(1時間あたりおよそ60個)です。13日夜〜14日明け方も、1時間に30〜35個程度が予想されているので、予備日として使えます。
流星撮影のカメラ設定の目安は?
Sony公式の案内は、Mモード、F値はできるだけ小さく、シャッタースピード15秒、ISO感度3200から、インターバル撮影です。OM SYSTEMの撮影例は、Mモード、F1.8、10秒、ISO 6400です。できるだけ画角の広いレンズで、空の範囲を広く写します。シャッタースピードの上限は、焦点距離(500÷焦点距離)で決まります。
カメラはどの方向に向ければいいですか?
国立天文台は、流星は放射点付近だけでなく、どちらの方向にも現れるとしています。OM SYSTEMは、放射点から放射状に流れるという性質を意識して構図を決めるよう案内しています。方向を厳密に決めるより、広角レンズで空の広い範囲を写すことを優先してください。
インターバル撮影とは何ですか?
指定した間隔と枚数で、カメラが自動的にシャッターを切り続ける機能です。いつ流れるか分からない流星を撮るために、Sony公式もOM SYSTEM公式も使うことを案内しています。三脚に固定して撮影を始めれば、あとは見守るだけです。撮影前に、バッテリーとメモリーカードの残量を必ず確認してください。
スマホで流れ星は撮れますか?
向いていません。流星はいつ現れるか分からず、スマホの夜景モードは1枚を数秒かけて撮る仕組みで、相性がよくありません。AppleとGoogleの公式ヘルプにも、流星についての記載はありません。流れ星を写真に残したいなら、広角レンズとインターバル撮影のできるカメラが有利です。
1時間に60個見えるなら、60枚写りますか?
いいえ。国立天文台の1時間あたり約60個という予想は、空の暗い場所で目で観察した場合の数です。レンズの画角は人の視野より狭いので、写真に写るのはその一部です。だからこそ、長時間インターバル撮影で撮り続けます。
まとめ
2026年のふたご座流星群は、12月14日23時頃が極大で、21時を過ぎれば月明かりがない、国立天文台が「絶好の条件」とする年です。最も流星が多いのは15日0時〜2時頃で、前日の13日夜も予備日になります。
撮影は、広角レンズで、F値は小さく、露光は10〜15秒、ISOは高めに、インターバル撮影で撮らせ続ける。そして、寒さ対策をしっかり。次の新月は12月7日です。その1週間後の夜に向けて、機材とバッテリー、場所の下見を、今のうちから始めてください。
Tabi