Vlogを撮りたいけれど、レンズ交換式カメラは荷物になるし操作も難しそう——スマホからのステップアップで、そんな迷いを抱える旅行者は多いと思います。ポケットに入るサイズで、画質はスマホよりワンランク上、なおかつ自撮りしやすい広角レンズがあれば理想的です。
その条件にほぼ答えを出しているのが、ソニーのSony ZV-1 II(正式名称:VLOGCAM ZV-1M2)です。1.0型センサーとレンズを一体化した固定レンズ式のVlogコンデジで、18-50mm相当という広角寄りのズームレンズが最大の特徴。本記事では旅行者目線で、良い点も気になる点も正直にレビューします。あわせて間違えやすい初代ZV-1・ZV-1Fとの違いも整理しますので、購入前にぜひ確認してください。
- Sony ZV-1 II の主要スペックと旅行者目線の評価(★4.2/5)
- 18-50mm相当の広角ズームが旅の自撮り・グループ撮影で活きる理由
- 良い点:広角ズーム・1型センサーの画質・約266gの携帯性
- 気になる点:手ぶれ補正は電子式のみ(光学式なし)、バッテリー持ちが短め
- 初代ZV-1・ZV-1Fとの違い、ZV-E10 IIとの簡易比較
💡 この記事はZV-1 IIの単体レビューに特化しています。レンズ交換式でより本格的な動画性能(4K60p)が欲しい方はSony ZV-E10 II レビュー、複数のVlogカメラを横断比較したい方はVlogカメラランキングをご覧ください。
Sony ZV-1 II とは——1型センサー×広角ズームの固定レンズVlogコンデジ
ZV-1 IIは2023年6月23日に発売された、ソニーのVlogカメラ「VLOGCAM」シリーズの一台です。レンズ交換はできない固定レンズ式のコンパクトカメラで、1.0型積層型CMOSセンサーと新開発のZEISS Vario-Sonnar T* 18-50mm相当F1.8-4.0レンズを搭載しています。
先代の初代ZV-1は24-70mm相当のズームレンズでしたが、ZV-1 IIは広角端を18mmまで広げたのが最大の変更点です。自撮り棒を使わなくても、腕を伸ばすだけで自分と背景を広く画面に収められるようになり、Vlogカメラとしての使い勝手が大きく向上しました。
初代ZV-1・ZV-1Fとの違い——型番の混同に注意
ソニーのZV-1シリーズには複数のモデルがあり、名前が似ているため混同しやすいので注意してください。
| 項目 | ZV-1(初代) | ZV-1 II(本記事) | ZV-1F |
|---|---|---|---|
| 発売時期 | 2020年 | 2023年6月 | 2021年 |
| レンズ(35mm換算) | 24-70mm F1.8-2.8 | 18-50mm F1.8-4.0 | 20mm F2(単焦点・ズーム不可) |
| 手ぶれ補正 | 光学式+電子式 | 電子式のみ | 電子式のみ |
| 特徴 | 望遠まで使える万能ズーム | 広角寄りで自撮り・複数人撮影に強い | 最軽量・単焦点で割り切った設計 |
望遠側の画角を優先するなら初代ZV-1、とにかく軽さと価格を優先するならZV-1F、そして広角の自撮りしやすさとズームの両立を求めるならZV-1 II、という住み分けです。本記事で扱うのは中間に位置するZV-1 IIである点を前提にお読みください。
Sony ZV-1 II 主要スペック
| 項目 | スペック |
|---|---|
| センサーサイズ | 1.0型積層型CMOS Exmor RS(有効約2010万画素) |
| レンズ | ZEISS Vario-Sonnar T* 18-50mm相当 F1.8-4.0(実焦点距離6.9-17.6mm)固定ズーム |
| 手ぶれ補正 | 電子式(アクティブモード)のみ ※光学式は非搭載 |
| ボディ重量 | 約266g(本体のみ)/約292g(バッテリー・メモリーカード込み) |
| 動画性能 | 4K 30p/24p、フルHD最大120p。S&Q機能で最大5倍スロー/60倍クイックモーション(HD時) |
| 背面モニター | バリアングル式タッチパネル液晶 |
| マイク | 3カプセル指向性マイク内蔵、風防(ウィンドスクリーン)付属 |
| バッテリー | NP-BX1(静止画約290枚/動画実撮影時約45分・連続撮影時約75分、CIPA準拠) |
| EVF(ファインダー) | なし |
| 実売価格(目安) | 約10万円台前半〜(2026年7月時点、価格.com調べ)/ソニーストア公式価格 125,400円(税込) |
良い点3つ——旅Vlogコンデジとして光る部分
1. 18-50mm相当の広角ズーム——自撮り・グループ撮影に強い
ZV-1 II最大の武器が、広角18mm相当からスタートするズームレンズです。腕を伸ばして自撮りする際、通常の35〜50mm相当のレンズでは自分の顔しか写らないことがよくありますが、18mmの広角なら自分と背景の建物や景色を一緒に画面へ収められます。旅先で「この絶景をバックに自分も入れて撮りたい」という場面で、この広さは非常に頼りになります。
また、友人や家族との旅行で複数人を一枚に収めたいときも、広角側なら自撮り棒なしで全員を画面に入れやすいのが強みです。望遠側も50mm相当まであるため、テーブルフォトや商品紹介など、寄って撮りたいシーンにもある程度対応できます。
2. 1型センサーでスマートフォンを超える画質
スマートフォンのセンサーと比べてはるかに大きい1.0型センサーを搭載しているため、暗所でのノイズの少なさや背景のボケ感、階調の豊かさでスマホ写真とは一線を画す仕上がりになります。F1.8の明るいレンズと合わせて、夕方や室内などの光量が少ない場面でも粘りのある描写が得られます。
旅先の記録をSNSにアップするだけでなく、あとから見返して「ちゃんと写真として残したい」という方には、スマホからの画質アップグレードとして十分な満足感があります。
3. 約266gの携帯性——ポケットに収まる気軽さ
本体のみで約266g、バッテリー・メモリーカードを入れても約292gという軽さは、レンズ交換式のVlogカメラ(ZV-E10 IIは本体のみ約292g、レンズ込みではさらに重くなる)と比べても圧倒的にコンパクトです。上着のポケットやバッグの隙間にすっと収まるサイズ感は、「思い立ったらすぐ取り出せる」という気軽さに直結します。
Vlog特化の専用機能も充実しています。手前の被写体にすばやくピントを合わせる商品レビュー用設定、ボタン一つで背景のボケ感を切り替えられる機能、複数人の顔を検出するグループ撮影向けの顔認識機能など、難しい設定をしなくても「映える」Vlogが撮れる仕組みが揃っています。
気になる点2つ——購入前に知っておきたいこと
1. 手ぶれ補正は電子式のみ——光学式は非搭載
ZV-1 IIで見落とされがちな注意点が、手ぶれ補正が電子式の「アクティブモード」のみという仕様です。初代ZV-1は光学式の手ぶれ補正を備えていましたが、ZV-1 IIではレンズの広角化と引き換えに光学式が省かれ、電子式のみになりました。
三脚や自撮り棒を使った撮影、比較的ゆっくりした歩き撮りには十分対応できますが、電子式補正は画角がクロップされるうえ、早歩きや走りながらの撮影では揺れを完全には抑えきれません。歩き撮りVlogをメインにする方は、小型のジンバルを併用することをおすすめします。ボディ内手ぶれ補正(IBIS)が欲しい方は、後述のZV-E10 IIやα6700も比較検討してください。
2. バッテリー持ちが短め——予備は必須
採用されているバッテリーNP-BX1は小型タイプで、動画の実撮影時間は約45分(連続撮影で約75分)にとどまります。ZV-E10 IIなどが採用する大容量のNP-FZ100と比べると、1日中Vlogを撮り続けるには心もとない容量です。
旅行で丸一日撮影する予定がある場合は、予備バッテリーを2〜3個持参するか、USB給電に対応したモバイルバッテリーで移動中に充電する運用を組み合わせるのが現実的です。
こんな人におすすめ
- スマートフォンからワンランク上の画質にステップアップしたい旅行者
- 自撮り・複数人でのグループ撮影が多い一人旅・友人旅行の方
- できるだけ荷物を増やさず、ポケットサイズでVlogを始めたい人
- 編集の手間を減らしたい(背景ぼけ切替・顔認識などの自動機能を活用したい)人
- 三脚・自撮り棒を使った落ち着いた撮影がメインで、歩き撮りは少なめの人
旅行での使いどころ——広角ズームが活きる具体的なシーン
18mm相当の広角がどう旅の撮影に効いてくるのか、具体的な場面で見てみましょう。
- 観光地での自撮り:腕を伸ばして撮る際、教会や城壁などの大きな建造物を背景に含めても窮屈にならず、旅の記録として絵になる一枚が撮れます。
- 友人・家族との集合ショット:自撮り棒がなくても3〜4人程度なら画角に収まりやすく、レストランのテーブルなど狭い場所でも全員を写せます。
- 歩きながらの街並みVlog:広角レンズは多少のフレーミングのズレを吸収してくれるため、しゃべりながら歩く一人語りのVlogでも構図が破綻しにくくなります(手ぶれの揺れ自体は電子補正の限界があるため、ゆっくり歩くのがコツです)。
- 宿泊先や飛行機内での紹介動画:狭い室内でも広角なら壁際に立つだけで部屋全体を映せます。
逆に、遠くの野生動物や舞台演出など望遠が必要な被写体には不向きです。望遠を重視する旅行には、後述のZV-E10 IIや交換レンズ式のカメラを検討してください。
Sony ZV-E10 IIとの簡易比較——どちらを選ぶべきか
同じソニーのVlogカメラとして比較されやすいのがZV-E10 IIです。レンズ交換の可否や手ぶれ補正、価格帯が大きく異なるため、用途に応じて選び分けましょう。
| 比較項目 | ZV-1 II | ZV-E10 II |
|---|---|---|
| センサー | 1型(約2010万画素) | APS-C(約2600万画素) |
| レンズ | 18-50mm相当 固定(交換不可) | Eマウント・交換式 |
| 重量(本体のみ) | 約266g | 約292g |
| 手ぶれ補正 | 電子式のみ | 電子式のみ(IBISなし) |
| 4K動画 | 30pまで | 60pまで対応(1.1倍クロップ) |
| バッテリー | NP-BX1(小型) | NP-FZ100(大容量) |
| 実売価格(目安) | 約10万円台前半〜 | 約15万円前後(レンズキット) |
ZV-1 IIを選ぶべき人:とにかく小さく軽く、価格も抑えたい。レンズ交換は不要で、広角の自撮りを重視する方。
ZV-E10 IIを選ぶべき人:レンズ交換で表現の幅を広げたい。4K60pの高画質動画やバッテリー持ちを重視する方。詳しくはZV-E10 II レビューで解説しています。
まとめ——ZV-1 IIは「はじめてのVlogカメラ」として実力十分
Sony ZV-1 IIは、広角ズームレンズという明確な個性を持ったVlogコンデジです。自撮り・グループ撮影が多い旅行者にとって、18mm相当の画角は他のコンパクトカメラにはない実用的な強みになります。手ぶれ補正が電子式のみ、バッテリー持ちが短めという弱点はありますが、それを理解したうえで「気軽に持ち歩けて、スマホより一段上の映像を残せる一台」として選ぶなら、十分に納得感のある選択です。
撮影した動画・写真をすぐに見返すなら、高速なSDカードの用意も忘れずに。おすすめSDカードランキングも参考にしてください。旅行中の動画撮影テクニックはYouTube動画撮影ガイド、他のVlogカメラとの比較はVlogカメラランキングもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. ZV-1 IIと初代ZV-1・ZV-1Fの違いは何ですか?
初代ZV-1は24-70mm相当F1.8-2.8のズームレンズ、ZV-1Fは20mm相当F2の単焦点レンズです。ZV-1 IIは18-50mm相当F1.8-4.0という、より広角寄りのズームレンズに変更されており、自撮りや複数人での撮影がしやすくなっています。一方で手ぶれ補正は初代の光学式から電子式のみに変更されている点が大きな違いです。
Q. ZV-1 IIの手ぶれ補正は弱いですか?
ZV-1 IIは光学式の手ぶれ補正を搭載しておらず、電子式の「アクティブモード」のみに対応しています。三脚や自撮り棒を使った撮影には十分ですが、電子式は画角がクロップされるため、早歩きなど大きな動きのある歩き撮りでは効果に限界があります。歩き撮りが多い方はジンバルの併用がおすすめです。
Q. ZV-1 IIとZV-E10 IIはどちらを選ぶべきですか?
とにかく小型軽量でポケットに入れて気軽に持ち歩きたいならZV-1 II、レンズ交換で表現の幅を広げたい・より本格的な動画性能(4K60p)が欲しいならZV-E10 IIが向いています。価格を抑えて最初の一台にしたい旅行者にはZV-1 IIが、動画クオリティを重視するならZV-E10 IIがおすすめです。
Tabi