夕暮れの街に明かりが灯っていく様子や、山の上を流れていく雲を、10秒ほどの短い動画にまとめる——それがタイムラプスです。旅の記録がひと味違う作品になる一方で、「どれくらいの間隔で、何分撮ればいいのか」「撮ってみたら明るさがちらついた」と、最初につまずく人が多い撮り方でもあります。
この記事では、ソニーとニコンの公式な説明書・サポートをもとに、撮影間隔と撮影時間の決め方、ちらつきを防ぐ設定、カメラ内蔵機能とパソコンでの動画化の違い、旅行での準備を整理しました。三脚やNDフィルターの機種選びは、それぞれのランキング記事に任せ、ここでは「設定と手順」に絞っています。
- タイムラプスの仕組みと、撮影間隔の目安(ソニー公式:町は1〜3秒、雲は5〜10秒)
- 「何分撮れば何秒の動画になるか」の計算式(ニコン公式)
- カメラ内蔵のタイムラプスと、インターバル撮影+パソコンでの動画化の違い
- 明るさのちらつきを防ぐ設定(ニコンの露出平滑化、ソニーのAE追随感度)
- 電池・SDカード・三脚など、旅行前の準備チェック
💡 この記事は「タイムラプスの設定と手順」に特化しています。三脚選びはトラベル三脚おすすめ5選、明るい場所での減光はNDフィルターおすすめ5選、星空のタイムラプスの前提となる設定は星空撮影のカメラ設定をご覧ください。
先に結論:固定して、間隔は動きの速さで決め、ちらつきを防ぐ
先に、押さえたいことを4つにまとめます。
1. カメラは三脚でしっかり固定する。タイムラプスは、同じ構図で撮った静止画をつなぐ撮り方です。撮影中にカメラが動くと、動画が揺れてしまいます。
2. 撮影間隔は、被写体の動きの速さで決める。ソニーの公式サポートでは、目安として「人物・町の変化は1〜3秒」「風景・雲の流れは5〜10秒」を案内しています。
3. 撮影時間は計算で決める。ニコンの説明書では、記録コマ数は「撮影時間 ÷ 撮影間隔(小数点以下切り上げ)+1」、動画の長さは「記録コマ数 ÷ フレームレート」で求めます。
4. 明るさのちらつきは、カメラの機能で抑える。ニコンは「露出平滑化」、ソニーは「AE追随感度」で、明るさの変化をなめらかにできます。
タイムラプスの仕組み:静止画を連続再生する
タイムラプスは、一定の間隔で静止画を撮り続け、つなげて動画にする方法です。普通の動画は1秒間に24〜60コマで撮りますが、タイムラプスは数秒に1コマしか撮らないので、再生すると時間が一気に進んで見えます。
たとえば、30p(1秒に30コマ)で10秒の動画を作るには、300コマが必要です。この300コマを、2秒おきに撮れば10分、5秒おきに撮れば25分、10秒おきに撮れば50分かかります。
撮影間隔と撮影時間の決め方
間隔は「被写体が動く速さ」で選ぶ
間隔が短すぎると動きがゆっくりに見え、長すぎるとカクカクします。ソニーの公式サポートでは、次の目安が案内されています。
| 被写体 | 撮影間隔の目安(ソニー公式) | 10秒の動画(30p・300コマ)に必要な撮影時間 |
|---|---|---|
| 人物・町の変化(人混み、車の流れ) | 1〜3秒 | 1秒間隔で5分、3秒間隔で15分 |
| 風景・雲の流れ | 5〜10秒 | 5秒間隔で25分、10秒間隔で50分 |
ソニーのカメラ内蔵タイムラプスでは、間隔は1〜60秒で、1〜10秒は1秒単位、10〜60秒は10秒単位で設定できます(α7C IIの公式サポート)。まずは目安の値で試し撮りをして、再生を見ながら調整してください。
撮影時間は「計算」して決める
ニコンの説明書には、記録コマ数と動画の長さの計算方法が書かれています。
- 記録コマ数 = 撮影時間 ÷ 撮影間隔(小数点以下切り上げ)+ 1
- 動画の長さ = 記録コマ数 ÷ フレームレート
例:5秒間隔で30分(1800秒)撮ると、1800 ÷ 5 + 1 = 361コマ。30pの動画にすると、361 ÷ 30 = 約12秒の動画になります。なお、ニコンのタイムラプス動画は、撮影時間を最長23時間59分まで設定できます。
また、ニコンの説明書には、撮影間隔は「想定されるシャッタースピードより長い時間」にするよう書かれています。たとえば、1回の露出が2秒かかるなら、間隔は2秒より長くする必要があります。
2つのやり方:カメラ内蔵のタイムラプスか、インターバル撮影か
タイムラプスの撮り方は、大きく2つあります。機種によって名前が違うので、説明書で確認してください。
| カメラ内でタイムラプス動画を作る | インターバル撮影で静止画を撮る | |
|---|---|---|
| ソニー | S&Qモードの「タイムラプス」。記録フレームレートは60p・30p・24pから選択(α7C II) | 「インターバル撮影」。間隔1〜60秒、枚数1〜9999枚。動画にするには、パソコン用ソフト「Imaging Edge Desktop」を使う(MP4で保存) |
| ニコン | 「タイムラプス動画」。撮影間隔と撮影時間を設定。音声は記録されない | 「インターバルタイマー撮影」。撮影回数と間隔を設定し、静止画を撮る |
| 向いている人 | 手軽に、その場で動画まで仕上げたい | 後から編集や色の調整をしたい、画質を重視したい |
ソニーの公式サポートによると、インターバル撮影した静止画は、カメラの中では動画にできません。パソコンのImaging Edge Desktopでタイムラプス動画に変換します。このとき、撮影時のアスペクト比は16:9が推奨されています(作成される動画が16:9のため)。
ちらつきを防ぐ設定
タイムラプスで一番多い失敗が、フレームごとに明るさが少しずつ変わって、動画がチカチカすることです。次の機能と考え方で、ちらつきを抑えます。
- ニコン:「露出平滑化」をオン。説明書には、オンにすると明るさの変化がなめらかになり、より自然な動画を記録できると書かれています。
- ソニー:「AE追随感度」を低めに。インターバル撮影では、明るさの変化への追随感度を高・中・低から選べ、低にすると露出の変化がなめらかになります。
- ホワイトバランスは固定する。オートのままだと、撮影中に色が変わることがあります(ホワイトバランスの基礎)。
- 日没・日の出のように明るさが大きく変わる場面は、上の機能を使い、試し撮りでちらつきを確認してから本番に入ります。
また、ニコンには「撮影間隔毎のAF駆動」という設定があります。毎回ピントを合わせ直すかどうかを選べるので、被写体が動かない風景なら、ピントを固定したほうがコマごとのずれが出にくくなります。
電池・カード・三脚:撮影前の準備チェック
タイムラプスは数十分から数時間かかることがあり、途中で止まると撮り直しになります。ニコンの説明書には、インターバル撮影の前に次の準備をするよう書かれています。
- 試し撮りをする
- 日時が正確に設定されていることを確認する
- 電池を確保する(十分に充電した電池、ACアダプター、モバイルバッテリーのいずれか)
さらにニコンは、メモリーカードの残量がないと撮影を始められないと案内しています。コマ数が多いほど容量を使うので、余裕のあるSDカードを用意してください。電池は予備バッテリーやモバイルバッテリーが頼りになります。
三脚の選び方:まず「動かない」ことが大事
タイムラプスは、撮影中ずっとカメラが動かないことが前提です。風や足元の揺れで三脚が動くと、動画が揺れます。旅行用には、軽さと安定感のバランスがよい三脚が向いています。選び方はトラベル三脚おすすめ5選、テーブルや地面に置く場合はミニ三脚・卓上三脚おすすめ5選が参考になります。
スマホでも撮れる
スマートフォンのカメラアプリにも、タイムラプスのモードがあります。iPhoneなら「タイムラプス」、Pixelなら「動画」の中の「タイムラプス」を選びます。専用機材が要らず、すぐ試せるのが利点です。ただし、手持ちでは揺れてしまうため、スマホ用のクリップが付いたミニ三脚などで固定してください。間隔や撮影時間を細かく決めたい場合は、ミラーレスのほうが調整の自由度が高くなります。ミニ三脚の選び方はミニ三脚・卓上三脚おすすめ5選で比べています。
よくある失敗と対策
- 途中で電池が切れた:撮影前に満充電にし、長時間なら外部電源も用意する(ニコン公式の準備項目)
- メモリーカードがいっぱいになった:コマ数から枚数を逆算し、容量に余裕を持つ
- 明るさがちらついた:露出平滑化・AE追随感度を使い、ホワイトバランスを固定する
- 動画が揺れた:三脚を低くして安定させ、風の強い日は重りを掛けるか、撮影を見送る
- 動きが速すぎ・遅すぎた:被写体に合わせて間隔を変え、試し撮りで再生を確認する
よくある質問(FAQ)
タイムラプスの撮影間隔は、何秒にすればいいですか?
ソニーの公式サポートでは、目安として、人物や町の変化なら1〜3秒、風景や雲の流れなら5〜10秒を案内しています。まずはこの値で試し撮りをして、再生を確認しながら調整してください。
10秒の動画を作るには、何分撮ればいいですか?
30p(1秒に30コマ)なら300コマ必要です。2秒間隔で10分、5秒間隔で25分、10秒間隔で50分が目安です。計算式は、ニコンの説明書にある「記録コマ数=撮影時間÷撮影間隔(切り上げ)+1」「動画の長さ=記録コマ数÷フレームレート」を使います。
タイムラプス動画は、どうやって作りますか?
2つの方法があります。ニコンのタイムラプス動画や、ソニーのS&Qモードのタイムラプスのように、カメラの中で動画まで仕上げる方法と、インターバル撮影で静止画を撮り、パソコンで動画にする方法です。ソニーでは、パソコン用ソフトのImaging Edge Desktopで、MP4のタイムラプス動画を作成できます。
動画がチカチカするのは、なぜですか?
フレームごとに明るさが少しずつ変わるためです。ニコンの「露出平滑化」をオンにするか、ソニーの「AE追随感度」を低めにすると、明るさの変化がなめらかになります。ホワイトバランスも固定してください。
スマホでもタイムラプスは撮れますか?
撮れます。iPhoneのカメラアプリの「タイムラプス」モードや、Pixelの「動画」内の「タイムラプス」などを使います。手持ちでは揺れるので、三脚で固定するのが基本です。
まとめ:固定して、計算して、ちらつきを防ぐ
タイムラプスは、特別な機材がなくても、設定の考え方を押さえれば始められます。
- 三脚でカメラを固定し、試し撮りで確認する
- 間隔は被写体の動きで決め(町は1〜3秒、雲は5〜10秒)、撮影時間は計算で決める
- 露出平滑化・AE追随感度・ホワイトバランス固定で、ちらつきを防ぐ
- 電池とメモリーカードは余裕を持たせる
夜景や星空のタイムラプスに進みたい方は星空撮影のカメラ設定、明るい場所で動きをなめらかにしたい方はNDフィルターおすすめ5選が参考になります。最後の1台は、ご自分の旅のスタイルに合わせて決めてください。
Tabi