旅先でカメラを落とした。バッグごと盗まれた。置き忘れて、取りに戻っても見つからなかった——高いカメラを持つほど、「もしも」が気になります。旅行保険、メーカー保証、延長保証、クレジットカードの保険と、備えの種類が多く、何が何を守ってくれるのか、分かりにくいところです。
この記事では、東京海上日動・損保ジャパン・あいおいニッセイ同和損保・日本損害保険協会・各メーカーの公式の情報をもとに、備えの種類と違い、旅行保険の携行品損害の中身、延長保証の注意点、事故のときの手順を整理しました。
⚠️ この記事は、一般的な情報の紹介です。特定の保険や保証を勧めるものではなく、契約の勧誘でもありません。補償の内容や金額、条件は、保険会社・商品・契約によって違い、変わることもあります。2026年10月時点で確認できた公式の情報をもとにしています。契約する前に、必ず、保険会社や販売店の最新の約款・規約・重要事項の説明をご確認ください。
- メーカー保証・延長保証・旅行保険・カード付帯保険の違い
- 旅行保険の携行品損害で、補償されること・されないこと
- 保険金は「買い直し費用」ではなく、時価か修理費で決まること
- 延長保証のワイド型で、破損まで対象になる場合があること
- 事故のときの連絡先と、必要な書類
💡 この記事は「壊れたあとの備え」に特化しています。海外に持っていく機材の選び方は海外旅行のカメラ選び、飛行機での運び方は飛行機でのカメラの運び方、データの守り方は写真のバックアップをご覧ください。
先に結論:備えは「3つの層」で考える
先に、押さえたいことを3つにまとめます。
1. 備えは、メーカー保証(故障)、延長保証(故障+破損の場合も)、保険(盗難・破損)の3つ。メーカー保証は、落下・砂泥・水没では使えません(富士フイルム、キヤノン)。破損まで守りたいなら、延長保証のワイド型か、保険が必要です。
2. 保険は、置き忘れ・紛失が対象外。東京海上日動も損保ジャパンも、置き忘れや紛失を、支払いの対象外としています。盗まれた場合と、失くした場合で、扱いが分かれます。
3. 保険金は、買い直し費用ではない。支払われるのは、時価と修理費の低いほう。しかも、1個あたり10万円が限度です。高価な機材ほど、足りなくなります。
備えの種類と、違い
| 備え | 補償されやすいもの | 補償されにくい・注意 | 出典 |
|---|---|---|---|
| メーカー保証 | 正常な使用での、自然な故障の無償修理 | 落下・衝撃、砂・泥かぶり、冠水・浸水などは、保証期間内でも有償修理 | 富士フイルム、キヤノン |
| 延長保証(メーカー直販) ソニーストアの長期保証 | ベーシックは故障、ワイドは故障に加えて破損・水ぬれ・火災など。保証期間中の修理料金は0円 | レンズ清掃や撮像素子の性能劣化、付属品・データなどは対象外。修理できない場合は製品交換になり、保証は終了 | ソニー |
| 延長保証(販売店) | 自然故障が中心 | 店舗と購入方法で条件が違う。落下・水濡れは対象外のものがある。ネット購入は対象外の場合もある | ヨドバシカメラ(例) |
| 旅行保険の携行品損害 | 旅行中の盗難・破損・火災など | 置き忘れ・紛失、自然の消耗、外観だけの損害は対象外。時価と修理費の低いほうが支払われる。1個10万円が限度 | 東京海上日動、損保ジャパン |
| 火災保険(自宅の家財) | 自宅の家財 | 外出先の持ち出し品(携行品)は、補償対象外とされている。契約によっては、特約でカバーされる場合がある | 東京海上日動、あいおいニッセイ同和損保 |
| クレジットカード付帯の保険 | カードの種類で、付いている場合がある | 補償内容や金額が足りないことがある。足りない分だけ、別の保険を追加できる | 日本損害保険協会 |
販売店の延長保証は、店舗や時期で条件が変わります。ヨドバシカメラの公式ページの案内では、店舗で購入した商品が対象で、ネット通販の購入は対象外とされ、落下・水没による故障は対象外です(2026年10月時点で確認できた範囲です。ページの更新日が古い場合があるので、購入前に最新の規約で確認してください)。
旅行保険の「携行品損害」:中身を読む
東京海上日動と損保ジャパンの案内を、まとめます。商品によって、内容が違う場合があります。
- 補償される事故:旅行中に、バッグ・カメラ・時計・衣類などの持ち物が、盗まれる、壊れる、火災などの偶然な事故で損害を受けた場合(損保ジャパン)。東京海上日動の案内では、デジタルカメラ等を落として壊した場合が、例に挙げられています。
- 限度額:持ち物1つ(1個、1組または1対)あたり10万円。乗車券等は合計5万円。旅券は1回の事故につき5万円です。盗難・強盗や、航空会社に預けた手荷物の不着は、保険金額が30万円を超える契約でも、保険期間を通じて30万円が限度になることがあります。
- 支払われる額:購入価格ではなく、損害時点の価格(時価)と修理費のいずれか低い額です。時価は、同じものを新たに買う費用から、使った期間の消耗分を差し引いて計算します(損保ジャパン、東京海上日動)。
- 対象外の主なもの:置き忘れまたは紛失(その後に盗まれた場合も含む)、自然の消耗、機能に支障のない外観だけの損害、故意または重大な過失による損害、偶然な事故に直接起因しない電気的・機械的事故、データ・ソフトウェアなど(損保ジャパン、東京海上日動)。
- スマホ・パソコン:商品によっては、対象外とされています(あいおいニッセイ同和損保のFAQ)。
カメラの本体とレンズが、「1個」なのか「1組」なのかで、限度額の数え方が変わる可能性があります。公式の案内には、書かれていません。約款を確認するか、保険会社に問い合わせてください(筆者の考えです)。
クレジットカード付帯の保険
日本損害保険協会は、クレジットカードの種類によっては、海外旅行保険が付いていることがあると説明しています。条件が付く場合や、補償の金額が足りない場合があるので、適用の条件、補償の期間、保険金額、補償の範囲を、事前に確認するよう案内しています。足りない場合は、不足する補償だけを、別の海外旅行保険で追加することもできます。
延長保証:何が違うか
ソニーストアの長期保証は、メーカー保証と同等の内容が3年間になる「3年ベーシック」が付き、有料の「ワイド」を選ぶと、故障に加えて、破損や水ぬれ、火災なども対象になります(ソニー)。保証期間中の修理は、料金がかからないとされています。
- 対象外もある:デジタルカメラのレンズ部分や、撮像素子の性能の劣化、付属品、データ、記録メディアなどは対象外です。
- 修理できない場合:製品交換になり、その時点で、長期保証は終わります。
- 加入のしかた:ソニーストアで購入した商品が対象で、商品の注文ページで、長期保証を選びます。料金は機種で違うので、購入ページで確認してください。
- 保証書と購入証明を残す:富士フイルムは、保証期間内の修理に、保証書が必要としています。キヤノンも、保証書か、購入を証明するものが必要です。
どれを選ぶか(目安)
| 場面 | 考え方 | 出典 |
|---|---|---|
| 国内で、普段使いをする | メーカー保証を確認。落下が心配なら、破損まで対象のワイド型の延長保証を検討する | ソニー、筆者の考え |
| 海外旅行に行く | 旅行保険の携行品損害を付ける。カード付帯の補償内容と金額を確認し、足りない分を追加する | 日本損害保険協会、東京海上日動 |
| 機材が10万円を超える | 携行品損害は、1個あたり10万円が限度。超える分は出ない。保険会社に、上限を超える補償を相談する | 東京海上日動、損保ジャパン |
| レンズを何本も持っていく | 本体とレンズが「1個」「1組」のどちらで数えられるかを、約款で確認する | 筆者の考え |
| カメラを借りる・貸す | 特約があれば、他人から無償で借りたものも対象になる場合がある | あいおいニッセイ同和損保 |
表の「筆者の考え」は、公式の説明を、旅の場面に当てはめたものです。保証や保険の内容を、保証するものではありません。
事故が起きたときの手順
- 盗難は、警察などに届ける:損保ジャパンの海外事故相談サービスは、24時間365日、日本語で対応し、盗難のときは、届出先への行き方のアドバイスと、必要書類の案内が受けられる、とされています(契約内容による)。
- 保険会社に連絡する:東京海上日動は、Web受付、フリーダイヤル(24時間365日)、郵送で、請求できるとしています。海外にいる間は、提携する現地のクレームエージェントなどに連絡します。
- 書類をそろえる:東京海上日動の案内では、携行品損害の請求には、保険金請求書、保険証券などのほか、事故証明書または目撃者の証明、損傷箇所の写真、購入時の領収書・保証書類、修理見積書または領収書が、必要です。
出発前に、カメラ・レンズの領収書と保証書、シリアル番号を、写真に撮って、クラウドに保存しておくと、あとで慌てません(筆者の考えです)。写真のバックアップの方法も、あわせてご覧ください。
壊れる前に、守る:機材の持ち運び
保険や保証は、壊れたあとの備えです。しかも、補償は時価で決まり、買い直しの全額が戻るとは限りません(東京海上日動)。壊れにくくする工夫も、大事です(筆者の考えです)。バッグの中で、カメラが動かないように、インナーバッグで包むだけでも、衝撃や埃から守れます。
ほかのインナーバッグは、インナーバッグおすすめ5選で比べています。
よくある質問(FAQ)
海外旅行保険で、カメラを落として壊したら補償されますか?
携行品損害の補償がセットされていれば、補償の対象になります。東京海上日動と損保ジャパンの案内では、旅行中に持ち物が盗まれたり、壊れたりした場合が対象で、デジタルカメラを落として壊した場合も、例に挙げられています。ただし、支払われる金額は、購入価格ではなく、損害時点の価格(時価)と修理費のいずれか低い額です。持ち物1つ(1個・1組・1対)あたり10万円が限度です。
カメラを置き忘れて失くしたら、補償されますか?
対象外です。東京海上日動も損保ジャパンも、置き忘れや紛失による損害は、保険金の支払い対象外としています。東京海上日動は、置き忘れたあとに盗まれた場合も、対象外としています。盗難にあった場合は、現地の警察などに届け出て、必要な書類をそろえます。
壊れたカメラの、新品の買い替え費用は出ますか?
出ません。東京海上日動のFAQでは、新品への買い替え費用は補償されず、保険金は、購入価格ではなく、時価額と修繕費のいずれか低い方の金額になる、と説明されています。時価額は、同じ仕様の品を買い直すのに必要な額から、使用による消耗や経過年数に応じた減価分を差し引いた額です。
自宅の火災保険で、外出先でのカメラの破損は補償されますか?
東京海上日動のFAQでは、外出先で自分のカメラを落として壊した場合、持ち出し家財(携行品)は補償対象外となる、とされています。ただし、傷害保険などの商品によっては、携行品損害補償特約がセットされている場合があります(あいおいニッセイ同和損保のFAQ)。ご自身の保険証券や約款で、確認してください。
延長保証は、必要ですか?
必要かどうかは、使い方と機材の価格によります(筆者の考えです)。メーカー保証は、落下・水没などでは使えません。ソニーストアの長期保証のワイドのように、破損・水ぬれ・火災まで対象にする有料プランもあります。落下や水濡れが心配な旅が多いなら、検討する価値があります。料金や条件は、機種や購入先で違うので、購入ページの最新の規約で確認してください。
まとめ:「何が対象外か」を先に知っておく
- メーカー保証は、落下・水没などは対象外。破損まで守るなら、ワイド型の延長保証か保険
- 旅行保険は、置き忘れ・紛失が対象外。支払いは、時価か修理費で、1個10万円が限度
- 買い直しの全額は、戻らないと考える
- 領収書・保証書・シリアル番号を、出発前に写真で保存する
最後の判断は、ご自分で決めてください。この記事は、一般的な情報であり、保険の勧誘や、個別の助言ではありません。
Tabi