動画の設定画面には、「24p」「30p」「60p」「120p」と並んでいます。どれを選べばいいのか、そして、動画ではシャッタースピードをどう決めればいいのか——静止画の感覚で設定すると、動きがカクカクしたり、屋外で真っ白になったりします。
この記事では、ソニー・キヤノン・ニコンの公式の説明をもとに、フレームレートの意味と選び方、シャッタースピードをフレームレートの約2倍にする「180度ルール」、ルールを外していい場面、屋外でのNDフィルター、スローモーションの撮り方を整理しました。結論を先に言うと、迷ったら30pで、シャッタースピードは2倍です。
- フレームレート(fps)とは何か、24p・30p・60p・120pの違い
- 画面の「30p」が、実際は29.97fpsである理由
- 180度ルール(シャッタースピード=フレームレートの約2倍)
- ルールを外してよい場面(速いアクション、夢のような映像)
- 屋外でのNDフィルター、スローモーション、ちらつきの注意
💡 この記事は「フレームレートと180度ルール」に特化しています。4Kの画質や熱停止は4K動画撮影ガイド、YouTube向けの撮り方はYouTube動画の撮影ガイド、NDフィルターの選び方はNDフィルターおすすめをご覧ください。
先に結論:迷ったら30p。シャッタースピードはフレームレートの約2倍
先に、押さえたいことを3つにまとめます。
1. フレームレートは、1秒間に何コマで動画を作るか。迷ったら30p。映画のような雰囲気なら24p、なめらかな動きやスローモーションなら60p・120pです(筆者の目安)。
2. シャッタースピードは、フレームレートの約2倍(180度ルール)。ニコンの解説では、25fpsなら約1/50秒、50fpsなら約1/100秒です。自然な動きのぼけになります。
3. 晴れた屋外で、そのシャッタースピードを守ると、明るすぎる。そのときは、NDフィルターで光を減らします。
フレームレートとは:1秒間のコマ数
動画は、静止画をパラパラ漫画のように連続して見せています。1秒間に何コマあるかが、フレームレート(fps)です。「p」は、画面を1コマずつ丸ごと記録する方式(プログレッシブ)を表します。
設定画面の数字は、実際には小数です。ソニーのヘルプガイドでは、記録フレームレートは整数で表していますが、実際のフレームレートは、24pが23.98fps、30pが29.97fps、60pが59.94fps、120pが119.88fpsだと説明されています。
キヤノンの製品マニュアルでは、日本を含むNTSC地域は、119.88・59.94・29.97・23.98fps、ヨーロッパなどのPAL地域は、100・50・25fpsが選べます。機種によっては、システム周波数の設定で切り換えられます。
24p・30p・60p・120pの違い
| フレームレート | 特徴・向く場面 | 出典 |
|---|---|---|
| 24p 実際は23.98fps | 映画のような雰囲気。キヤノンの製品マニュアルでは、24p・23.98pは主に映画関連で使うフレームレート | キヤノン、ソニー |
| 30p 実際は29.97fps | 標準的な動画。迷ったら、まずここ(筆者の目安)。旅のVlogなら十分 | ソニー、キヤノン |
| 60p 実際は59.94fps | 動きがなめらか。速い動きに向く。60pで撮ると、あとで0.5倍速のスローにも使える | ソニー、キヤノン、4K動画撮影ガイド |
| 120p 実際は119.88fps | スローモーション向き。120fpsで撮って24pで再生すると、5倍のスロー。機種によっては、撮影時間に制限がある | ソニー、キヤノン |
フレームレートが高いほど、データ量も増えます。4Kの高いフレームレートでは、カメラの発熱や、SDカードの速度にも注意が必要です。くわしくは4K動画撮影ガイドで解説しています。
180度ルールとは
180度ルールは、シャッタースピードを、フレームレートの約2倍にする決まりです。名前の「180度」は、フィルムカメラの回転シャッターから来ています。ニコンの解説によると、シャッター角度は、シャッタースピードをフレームレートとの関係で表したもので、フレームレートが変わっても、動きのぼけを一定に保つために使います。
ニコンは、180°を業界標準としていて、自然に見える動きになると説明しています。このとき、シャッタースピードは、フレームレートの約2倍です。CineDの解説でも、シャッター角度は180度が基本で、「フレームレート×2」と同じ意味だとされています。
| フレームレート | シャッタースピードの目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 24p | 約1/48秒(カメラでは1/50秒が近い) | 筆者(フレームレート×2) |
| 25p | 約1/50秒 | ニコン、CineD |
| 30p | 約1/60秒 | 筆者(フレームレート×2) |
| 50p | 約1/100秒 | ニコン |
| 60p | 約1/120秒(カメラでは1/125秒が近い) | 筆者(フレームレート×2) |
| 120p | 約1/240秒 | 筆者(フレームレート×2) |
カメラのシャッタースピードは、1/48のような値を選べないことがあるので、近い値(1/50、1/125など)を使います。キヤノンの製品マニュアルも、動きのある被写体を動画で撮るときは、1/25〜1/125秒程度を推奨しています。
ルールを外していい場面
180度ルールは、あくまで標準です。表現のために、あえて外すこともあります。
| シャッターの設定 | 見え方と向く場面 | 出典 |
|---|---|---|
| 標準(180°) | フレームレートの約2倍。自然な動き。基本はこれ | ニコン、CineD |
| 速くする(90°・45°など) | 動きがくっきりして、荒々しい印象。速いアクションや、緊張感のある場面に向く。光が減るので、ISOを上げるか絞りを開ける必要がある | ニコン、CineD |
| 遅くする(180°より広い) | 動きが柔らかく、夢のような印象。霧や、ゆったりした動きに向く。速い動きでは、ぼけすぎることがある | ニコン、CineD |
キヤノンの製品マニュアルには、シャッタースピードを速くするほど、被写体の動きが滑らかに再現されなくなる、と書かれています。旅のVlogでは、まず標準で撮って、慣れてから外してみてください。
屋外では、NDフィルターで光を減らす
晴れた屋外で、シャッタースピードを1/60秒に保つと、光が多すぎて、真っ白になりがちです。絞りを絞り、ISOを下げても、足りないことが多いのです。そのときに使うのが、NDフィルター(減光フィルター)です。レンズの前に付けて、光の量だけを減らします。選び方はNDフィルターおすすめで比べています。
シャッタースピードを速くして逃げる方法もありますが、動きがカクカクして見えます。ニコンの解説も、狭い角度は、光が減るぶん、ISOを上げるか絞りを開ける必要がある、と説明しています。
スローモーションの撮り方
スローは、高いフレームレートで撮って、低いフレームレートで再生します。ソニーのヘルプガイドでは、120fpsで撮影して、24pで再生すると、5倍のスローモーションになると説明されています。
- 音声は記録されない:ソニーのスロー&クイック撮影は、音声が記録されません。
- シャッタースピードが速くなる:スローにするほど、シャッタースピードが速くなるため、絞りを開けるか、ISOを上げる必要があります(ソニー)。
- 撮影時間に制限がある機種もある:キヤノンのEOS R6 Mark IIは、119.88fpsで、最長1時間30分と書かれています。
撮影中の注意
- ちらつき:キヤノンの製品マニュアルでは、蛍光灯やLED照明の下で動画を撮るときに、シャッタースピードを変えると、画面のちらつきが記録されることがある、とされています。
- 撮影中に設定を変えない:同じ製品マニュアルに、撮影中にシャッタースピード・絞り・ISO感度を変えると、露出の変化が記録されるので、おすすめしない、と書かれています。
フレームレートを選べる、旅Vlog向けの1台
ソニーのZV-E10 IIは、公式の仕様で、4Kは59.94p、フルHDは119.88pまで記録できます。24p・30p・60p・120pを使い分けて、スローも撮れます。価格.comのパワーズームレンズキットの新品最安は、約12万円(119,780円・2026年10月時点)です。詳しくはZV-E10 IIレビューをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
24p・30p・60pは、どれで撮ればいいですか?
まず迷ったら30pです。映画のような雰囲気にしたいときは24p、動きをなめらかに見せたいときや、スローモーションにしたいときは60p・120pです(筆者の目安)。画面に出る「30p」などは、実際には29.97fpsのように、少しだけ小数になっています(ソニーのヘルプガイド)。
180度ルールとは何ですか?
動画のシャッタースピードを、フレームレートの約2倍にする決まりです。ニコンの解説では、シャッター角度180°が標準で、自然な動きのぼけ(モーションブラー)になるとされています。25fpsなら約1/50秒、50fpsなら約1/100秒が例です。
晴れた屋外で、シャッタースピードを1/60秒にすると明るすぎます。どうしたらいいですか?
シャッタースピードを守ったまま光を減らすには、NDフィルター(減光フィルター)を使います。絞りやISOを下げるだけでは、足りないことが多いためです。シャッタースピードを速くすると、動きがカクカクして見えるので、基本は避けます。NDフィルターは、NDフィルターおすすめで比べています。
スローモーションは、どうやって撮りますか?
高いフレームレートで撮り、低いフレームレートで再生します。ソニーのヘルプガイドでは、120fpsで撮影して24pで再生すると、5倍のスローモーションになると説明されています。ただし、スロー&クイック撮影では音声は記録されません。また、スローにするほどシャッタースピードが速くなるので、絞りやISOに注意が必要です。
画面に出る「30p」は、本当に30fpsですか?
実際は少し違います。ソニーのヘルプガイドでは、記録フレームレートは整数で表していますが、実際のフレームレートは、24pが23.98fps、30pが29.97fps、60pが59.94fps、120pが119.88fpsだと説明されています。キヤノンの製品マニュアルでも、NTSC地域のフレームレートは、同じ小数の値です。
まとめ:まず30pと「2倍」で撮る
- フレームレートは、1秒間のコマ数。迷ったら30p
- シャッタースピードは、フレームレートの約2倍(180度ルール)
- 晴れた屋外は、NDフィルターで光を減らす
- スローは、高いフレームレートで撮って、低いフレームレートで再生する
最後の1台は、ご自分の旅のスタイルに合わせて決めてください。
Tabi